種まきのコツ!~芽出し編~
良いタネの見分け方
だんだん日も長くなり始め、そろそろ種でも蒔こうかな?という頃ですが今回は種まき前の芽出しについて参考にしていただきたいことをまとめてみました。
良いタネの見分るポイントを数点あげてみます。
○古いタネが混じっていないこと。
○タネの採取された日が判っていること。
○ゴミや土、雑草が混じっていないこと。
○病害虫が付着していないこと。
○発芽率が高いこと。
市販されている絵袋種であれば、これらの点はクリアされている場合がほとんどですが、自分で採取した種や、他人から譲り受けた種などはこれらの点を確かめておいたほうが良いと思います。
発芽に必要な条件
発芽に必要な条件は3つ
タネが発芽するためには、水・適度な温度・空気が必ず必要となり、このうち1つでも欠けてしまうと発芽することが出来なくなってしまいます。
ここで特に気をつけていただきたいのが、水と空気です。水分が多すぎるとタネは腐ってしまいますし、空気に【※この場合ストーブなどを焚いた室内】放置しておくと乾燥してしまう場合があるので気をつけなければなりません。
また、暗いところを好むタネ【嫌光性】や逆に光を好むタネ【好光性】など植物の種類によって違いが出てきます。
家庭菜園で人気のある野菜の発芽適温と光の関係を表にまとめてみました。
種類 | 発芽温度 | 好光性/嫌光性 |
春菊 | 約15℃~20℃ | 好光性 |
レタス | 約15℃~20℃ | 好光性 |
ほうれん草 | 約15℃~20℃ | 嫌光性 |
ねぎ・たまねぎ | 約15℃~25℃ | 嫌光性 |
人参 | 約15℃~25℃ | 好光性 |
大根 | 約15℃~30℃ | 嫌光性 |
なす | 約15℃~30℃ | 嫌光性 |
トマト | 約20℃~30℃ | 嫌光性 |
キュウリ | 約20℃~30℃ | 嫌光性 |
タネは眠っています
植物が開花→受粉→受精→結実する段階を経てタネは成熟していきますが、成熟しきったタネは休眠状態になります。【※この限りでない種子もあります】これが一時休眠という現象です。
また、タネ自身が【発芽に適していない状態になっている】と判断した場合に休眠状態になってしまう場合もあります。これを二次休眠と言います。
タネを起こしてあげる
タネが寝ている場合には起こしてあげる必要が出てきますが、これは植物によって違いがあるので一様ではありません。
タネを水に漬けこむなどの方法があるようですが、この場合でも流水でなければならない場合や、滞水【くみおきした水】で良い場合などがあります。
タネの起こし方はタネの購入先などで確認されることをお勧めいたします。
一代交配種(F1種)について
主流のF1種ですが、この種類の種を採取して育てても成長した植物は親世代のようには育たないので気をつけなければいけません。
人工的に他品種と交配させて作る一代限りの一代交配種(F1種)は、固定種に比べて作物の揃いがよく、収量や耐病性にも優れていますが、出来たタネをまいても同じものはとれないため毎回新しいタネを用意する必要があります。
発芽に失敗する例
タネを発芽させるときに多い失敗例をまとめてみました。
とりわけ多く失敗する例としては水分が多すぎて土やタネを腐らせてしまう場合と、乾燥によって発芽が止まってしまう場合が多いようです。
土やタネを乾燥させてしまう
芽が出ようとしたところで水切れさせてしまったようです。
芽は土中で枯れてしまうので、もう発芽しません。まき床の土はいつも適度に湿っている状態を保つ事が大切です。
水の与えすぎで土やタネを腐らせてしまう
たねまき用土はなるべく水はけの良いものを使います。土が乾く直前まで水を控え、乾き気味に管理するのがポイントになります。
発芽適温を維持出来なかった
温度は高すぎても、低すぎても芽は出てきません。発芽温度には十分注意してください。
温度が高くなりすぎた
温度を確保するため、ビニール温室やガラス温室などで育てると、温度は保てますが、湿度が異常に高くなりタネが腐ってしまうことがあります。
好光性の種子なのに、覆土してしまった
タネは覆土してしまいがちですが、植物によっては発芽に日光が必要な植物もあります。
絵袋に覆土などについては書いてあることが多いので、必ず裏面も読んでから発芽させてください。
また、植物によっては発芽する時に極端に日光を嫌う植物もありますので、注意が必要な場合もあります。
水やりの水が強すぎて種が流れた
せっかく薄く均等にまいても、上から強く水をかけては種が流れてしまいます。
種まき後の水やりは、ハンドスプレーなどで優しく水をやりしてください。
タネが古い
タネが古くなると発芽率が悪くなるものもあります。また、買って帰りうっかり湿気の多い場所や熱いところなどにおいて置くと発芽率が下がってしまいます。
酸素不足
発芽時には呼吸作用がさかんになり多くの酸素を必要とします。余りにも深く種を蒔きすぎたり、蒔き床が水浸しになって酸素不足が原因で発芽できない事もあります。
今回ご紹介した点を参考に、失敗しない種まきで楽しい家庭菜園をお楽しみください。
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