園芸資材・農業資材・造園資材・花材の総合問屋、青森県平川市(弘前市のすぐそば)末吉商店です。植木鉢、肥料、園芸用・農業用の用土、薬品、造花、しめ縄、苗、球根・縄、ムシロ、カメなど東北で一番の取り揃えでお客様のご要望に応えます。

霜害対策に農業用不織布を!

霜害とは?

不織布 霜害 晩霜 早霜霜害とは、春や秋の寒冷地で起こる植物障害で、霜が植物に付着することにより、植物を直接冷やしてしまい、生育活動が低下するほか、植物の中の水分が凍って養分などが滞り、枯れてしまったりする被害です。
北国など毎年霜が降りる地域では、霜が降りる時期に合わせて、農作物に霜対策を施すのですが、春の普段は霜が降りない時期に晩霜(おそじも)や、秋の普段は霜が降りない時期に早霜(はやじも)などが降りると、農作物に大きな被害を被ってしまいます。
霜は早春や晩秋に降ると思われがちですが、過去の観測記録では、北海道旭川で7月、宮城県仙台・東京・名古屋でも5月に観測されたことがあります。
春と秋の霜が降りるほど気温が下がると予想される時には、気象庁や各地の気象台から、注意喚起として霜注意報が発表されますが、これは晩霜・早霜の時期特有のもので、霜が毎日降りるような冬の時期には発表されません。
夕方のニュースや天気予報で、霜注意報が出ている時には、霜害に注意しなくてはいけません。

霜が降りるメカニズム

不織布 霜害 晩霜 早霜霜は、0℃以下に冷えた物体に、空気中の水蒸気が固体化して、氷の結晶となり堆積したものです。
空気と接触している物体の表面が霜点(温度が0℃以下の時の露点のこと)よりも低くなると、空気中の水蒸気が固体化し、植物の表面などに結晶構造を持つ氷が成長します。この結晶や、現象自体を霜と言います。
地域的には日本の各地で見られる現象で、特に標高が高い場所や、内陸部などでは放射冷却が起こりやすいので、最低気温が低くなりやすい場所で発生します。
条件としては、冬を含む寒い時期に、風が弱く穏やかに晴れて放射冷却が発生し、気温がおよそ5℃以下まで下がった朝、地面付近の温度は気温よりも数℃低い0℃以下となり、霜が降りやすくなります。気温がさらに低い場合は、昼間でも発生しますし、一日中霜が融けないこともあります。
なお、風が強い時や、雨や雪が降っている場合は、地表の冷却が進まなかったり、霜の成長が阻害されるので、気温が低くても霜が降りないことがあります。

急な霜注意報には不織布が便利

不織布 霜害 晩霜 早霜先にも書いたとおり、霜が毎日のように降りる冬の時期には、畝にビニールを被覆したり、マルチシートを敷いたりと、予め対策を施している時期です。
ところが晩春や早秋のように、”この時期では、そんなに冷えないよね”と思っている時期に、急に霜注意報は発表されます。
明日の早朝に降霜が予想された場合には、ビニールやマルチシートでは時間的に間に合わないことも多いかと思います。
このような時に使っていただきたいのが、農業用不織布です。
ポリプロピレン(PP)などの材料を使用し、農業用の不織布は他の不織布に比べて丈夫に出来ています。通気性・吸水性・保湿性に優れているうえ、何よりも軽いという利点があります。
”べたがけシート”などの名前で販売されているように、苗や植物に支柱無しで直接被せても、軽いので植物を傷めにくい構造となっています。
霜注意報が急に出ても、前日の夕方に不織布を掛けておくと、不織布で覆われた植物は保温効果もあって霜が降りにくくなります。
植物を直接覆うことが出来るので、作業時間が短くて済む分、急な霜注意報に対応できるという訳です。

春苗を定植した後は霜の季節

不織布 霜害 晩霜 早霜春の花苗や野菜苗を定植するのは、地域によっても異なりますが、東北や北海道でもゴールデンウィーク前後だと思います。
実はこの時期は霜の季節でもあります。
寒冷地では、「せっかく露地植えした植物苗が霜にやられた」という話はよく耳にします。
急な霜注意報に慌てることのないように、不織布を買置きしておくことをお勧めいたします。
農業用不織布は、ホームセンターや雑貨店、種苗店で購入することができ、50mなどのロール巻のものはもちろん、5mや10mなどの切売で売っている商品もあるので、自分で栽培している面積に合わせて必要な分だけ購入することも可能です。

不織布のデメリット

万能のようにも思われがちな不織布ですが、デメリットもございます。
ビニールなどの材質と比べると、傷みやすいので長期間使用するのには不向きです。1シーズン使用したら買換え時と思って使用するのが良いと思います。
不織布は毛羽立ちやすく、シワになりやすい特性をもっており、劣化していくと保温効果が薄れていきます。
特に露地で使用している場合には、日光や雨風の影響を受けるので、劣化が早まります。
せっかく覆っても効果が無いと困るので、不織布の状態を確認しながら使用していただければと思います。

せっかく育て始めた植物を、霜で痛めてしまっては勿体ないので、不織布を使って大切に育てていただきたいと思います。

ネット関係の過去の記事です。

マルチシート 色の選び方

強い日差しから植物を守るには

遮光ネットの種類

質問・問い合わせは、メール、お電話で受付けしておりますのでお気軽にご連絡ください。
お問合わせはこちら