園芸歳時記 令和三年十一月
霜月<しもつき>
霜月は「しもつき」と読み、その意味や由来、語源にはいくつかの説が有るとされます。
もっとも有力だとされている説は「霜降り月、霜降月(しもふりつき)が省略されて「霜月(しもつき)」に転じたというものです。
もともと霜月は陰暦で使用されていた月名で、現在の太陽暦(新暦)では12月にあたります。この頃になりますと、そろそろ里にも霜の降りる季節ですね。
ほかにも、満ちた数字である十を上月とし、それに対して下月(しもつき)になったという説、その年の収穫を感謝する意味を持つ「食物月(をしものつき)」が省略されたという説があるようです。
霜注意報とは?
秋になると、夕方の天気予報では「霜注意報」が発令されることがあります。
この霜注意報は、霜がおりる時にいつも発表されるものではありません。
必ず夕方までに発表され、翌朝には解除となります。雨が降り続ける限り出されている「大雨注意報」などの他の注意報とは性質の違う注意報です。
霜は、氷点下(0度以下)の物体の表面に、大気中の水蒸気が昇華し、氷の結晶となって堆積したものです。気温は地表から約1.5mの高さで測定しますので、放射冷却等で冷える場合は、気温が3~4度以下であれば、地表面付近では氷点下となって霜がおります。
植物が活動中に霜がつくと、霜が植物を直接冷やして中の水分が凍って養分が行き渡らなくなるなどで枯れるなどの被害が出ますが、真冬に入って活動を停止した植物は、寒さに対する備えが出来ているので、霜による被害は、植物が生育を始めたあとの霜(遅霜)か、植物が活動を中止する前の霜(早霜)のときに発表されるのです。
沖縄を除くと、冬の最中は翌朝霜がおりそうな天気であっても、霜注意報は発表されることがありません。
11月の二十四節気
立冬【11月7日】
立冬(りっとう)とは、冬がはじまる頃です。木枯らしが吹き、木々の葉が落ち、はやいところでは初雪の知らせが聞こえてきます。真冬の寒さに備えて、冬の準備を始める時期でもあります。
冬の冷気によって大地が凍り始め、朝は霜が降りるようになり、夜はいっそう冷え込んでくる季節です。
小雪【11月22日】
小雪(しょうせつ)とは、雪が降りはじめる頃です。まだ積もるほどには降らないことから、小雪といわれたようです。冷たい北風が木々の葉を落とし、地面いっぱいに広がる落ち葉を見ると晩秋から冬に移っていることを肌で感じる季節でもあります。
11月23日は勤労感謝の日でもありますが、古くは宮中で「新嘗祭」が行われてきた日でもあり、一年の収穫に感謝する日でもあります。
11月に農作業の始まる野菜
11月に種撒き、苗の定植などが始まる野菜の一例をご紹介致します。
※寒冷地や、温暖な地域などで差が出る場合もありますので、作付する地域の気候に合うように農作業を始めることをお勧めいたします。
作物名 | 一年/多年 | 生育温度 | 種まき | 苗植え | 旬の収穫時期 |
貝割れ大根 | 二年生 | 20℃前後 | 年中 | 年中 | 年中 |
からしな | 二年生 | 15~20℃ | 8月~11月 | – | 11月~4月 |
カリフラワー | 一年生 | 15~25℃ | 年中 | 年中 | 11月~3月 |
キャベツ | 一年生 | 15~20℃ | 年中 | 年中 | 12月~6月 |
クレソン | 多年生 | 15~18℃ | 9月~11月 | – | 3月~6月 |
こごみ | 多年生 | 22℃前後 | 10月~11月 | – | 4月~5月 |
牛蒡 | 多年生 | 20~25℃ | 9月~11月 | – | 11月~2月 |
さやえんどう | 一年生 | 10~20℃ | 10月~8月 | – | 4月~6月 |
玉葱 | 多年生 | 15~20℃ | 8月~10月 | 10月~12月 | 3月~4月 |
菜の花 | 二年生 | 15~20℃ | 9月~12月 | – | 1月~3月 |
ほうれんそう | 一年生 | 15~20℃ | 年中 | 年中 | 11月~2月 |
芽キャベツ | 一年生 | 15~20℃ | 年中 | 年中 | 12月~1月 |
11月頃のご参考ページ
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