園芸歳時記 令和三年十二月
師走<しわす>
師走は「しわす・しはす」と読み、その意味や由来・語源は、現在では正確なものは伝わっておりません。
平安時代の頃に、師(僧侶の意味、現在でもお通夜・お葬式の時に導師様と言ったりします)が、お経をあげるために東西を馳せ走る月であることから、シハセ(師馳)が「師走」になったという説があるそうですが、平安時代以前より既に師走という言葉は使われていたようです。
話は変わりますが、12月13日を「正月事始め」と言い、お正月の準備にとりかかる日とされています。特に13日は「松迎え」という行事で、由来は平安貴族が13日に正月に使用する松を採りにいったと伝えられています。現在では主に市場や商店などで正月用品を売りはじめる日としても、ニュースなどで取り上げられたりもします。
大掃除のルーツ「煤払い」
年末に慌ててしがちな大掃除のルーツは、12月13日に行われる「煤払い(すすはらい)」という行事が原型と言われております。
煤払いとは大みそかに各家に来るといわれる「歳神様」を迎える準備として、1年のあいだに溜まった汚れを払って家のなかなどを清めるという、古くからある風習です。
現在でも、神社仏閣では煤払いが年末の恒例行事となっています。
煤払いは、もとは神棚や仏壇の掃除が主な目的でしたが、「汚れをきれいにすると、よりたくさんのご利益を授かれる」といった考えなどもあり、いつしか家のなかを隅々まで掃除されていくようになります。
江戸時代には12月13日に江戸城中をきれいにする風習があり、庶民もこれに倣って、同じ日に家中の煤払いを行うのが慣例となっていました。
ちなみに煤払いの“煤”とは、火を使うことで出る黒い炭汚れのようなもので、現代でこそ煤汚れはあまり見られなくなりましたが、かまどやいろりなどを使うのが当たり前だった時代には、天井や壁の煤汚れは家が汚くなる大きな要因だったのです。
12月の二十四節気
大雪【12月7日】
大雪(たいせつ)とは、本格的に冬が到来する頃です。山々は雪に覆われ、平野部でも雪が積もりはじめる頃です。
熊は穴にこもる時期でもあり、鮭が川を遡上する時期ともされています。
いずれにせよ、一年の終わりや、冬の到来を肌で感じる時期と言えそうです。
冬至【12月22日】
冬至(とうじ)とは、一年でもっとも昼が短く、夜が長い頃です。
冬至の日には、寒さを乗り切るために栄養価の高いカボチャを食べ、柚子湯に浸かって無病息災を願う風習があります。
この頃には門松やしめ縄の準備をしたり、鏡餅やお正月用のお餅をついたりと、「今年も終わりだな」と感じる時期です。
12月に農作業の始まる野菜
12月に種撒き、苗の定植などが始まる野菜の一例をご紹介致します。
※寒冷地や、温暖な地域などで差が出る場合もありますので、作付する地域の気候に合うように農作業を始めることをお勧めいたします。
作物名 | 一年/多年 | 生育温度 | 種まき | 苗植え | 旬の収穫時期 |
貝割れ大根 | 二年生 | 20℃前後 | 年中 | 年中 | 年中 |
カリフラワー | 一年生 | 15~25℃ | 年中 | 年中 | 11月~3月 |
キャベツ | 一年生 | 15~20℃ | 年中 | 年中 | 12月~6月 |
さやえんどう | 一年生 | 10~20℃ | 10月~8月 | – | 4月~6月 |
玉葱 | 多年生 | 15~20℃ | 8月~10月 | 10月~12月 | 3月~4月 |
菜の花 | 二年生 | 15~20℃ | 9月~12月 | – | 1月~3月 |
ほうれんそう | 一年生 | 15~20℃ | 年中 | 年中 | 11月~2月 |
芽キャベツ | 一年生 | 15~20℃ | 年中 | 年中 | 12月~1月 |
12月頃のご参考ページ
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