固形除草剤の特長
除草剤の形状は粒剤と液体の除草剤があります。どちらも“草を枯らす”という効果は同じですが、使い方や使うときの状況によって異なります。
今回はとくに粒剤(固形)の除草剤について詳しくご説明してみます。
除草剤については、過去にも特集した記事がございますので、そちらも併せてご参考にしていただきたいと思います。
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まだ雑草が生える前に最適
粒剤(固形)の除草剤は、そのほとんどが“土壌改善型(どじょうかいぜんがた)”と呼ばれるタイプの除草剤で、雑草の生えている土壌自体に使用する除草剤です。
このタイプの除草剤は多くの場合、粒状になっていて、生えている雑草ではなく、土壌に直接散布します。散布された除草剤は土や雨の水分で溶けて土壌に浸透し、浸透後は土壌の中では長く薬剤効果がとどまります。この土壌に薬剤効果がとどまることにより、新しい根が成長したり、種が芽を出したりするのを防ぎます。
どちらかというと、“今生えている雑草”というよりも、“これから雑草が生えそうな場所”に使用するタイプの除草剤です。
液体の除草剤に比べ、効果が出てくるまでに時間がかかる物が多いですが、薬剤が土壌に残留する期間が長いので、液体除草剤よりも除草効果期間は長めです。
駐車場や家の周りには土壌改良型
駐車場や家の周りで雑草が生えると困る場所には、土壌改良型除草剤を選んだ方が持続するのでお勧めいたします。
除草剤を散布するタイミングとしては、春先のまだ雑草が生えてくる前と、晩秋の雑草が枯れ始める頃の年2回が最も効果が大きいとされています。
「これから雑草が枯れ始める晩秋になぜ除草剤を散布するのか?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、雑草は枯れ始める頃に、種を広めるので、その種に対して除草剤を散布することにより抑制できるという訳です。
樹木・花壇まわりはご注意を!
駐車場や家の周りの樹木や花壇がある場合には、除草剤の散布にご注意ください。
土壌改良型除草剤は、有効成分が土壌に浸透していくので、樹木や花壇に除草剤を散布しなくても、除草剤の成分が浸透してしまう場合があります。
この場合、せっかく育てた樹木や花壇の花まで枯らしてしまうことにもなりかねませんので、注意して使用しなくてはいけません。
具体的にどれくらい離れた場所であれば散布しても良いかなどは、取扱説明書に記載されておりますので、必ず読んでから使用しましょう。
適用表は必ず読みましょう
植物に使用できる除草剤には必ず適用表が印刷されています。この適用表の中身によって大きく3つに分類することが出来ます。
分類は以下のとおりです。
〇農耕地用除草剤(登録除草剤)
植物を育てている場所に使用できる除草剤です。
農薬としても農林水産省に届出を出しています。使用できる植物は適用表に書いてある植物に限定されるので、よく適用表を読みましょう。
〇非農耕地用除草剤(登録除草剤)
農作物を育てていない場所でしか使用できない除草剤です。
こちらも農薬として農林水産省に届出は出しておりますので、樹木のある駐車場・道路・運動場・宅地などに使用することが出来ます。
〇無登録除草剤
農林水産省に届出されていない除草剤です。
前出2つの除草剤とは違い、商品のパッケージに登録番号が記載されていないのが一番の見分けポイントです。
農薬ではないので、道路や駐車場などで使用する場合でも、付近に樹木等があった場合には使用出来ません。使用範囲が非常に限られる除草剤です。
雨天と相性が良い粒状除草剤
前にご紹介した液体除草剤は雨天時に散布すると、効果が落ちるとご紹介いたしましたが、粒状タイプの除草剤はその逆で、地面の水分によってゆっくりと溶け、土にしみ込んでいくことで効果を発揮します。そのため雨上がりで地面が十分に湿っている状態のほうが、より早く効果が出る傾向にあります。粒状除草剤のなかには“雨上がりに散布するよう指示されているもの”もあるほどです。
一方で、強風時の散布はお控え願います。何度も記載しておりますが、土壌改良型除草剤は水分により除草成分が土壌に浸透していきます。除草成分が溶け出さないうちに、強風などに煽られて飛んでいくと、意図しない場所に除草剤が飛ばされて、被害がでてしまう事が考えられます。
粒剤・液体ともに、強風時の除草剤散布はお控え願います。
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必ず防護してから散布を
除草剤を散布する際には、目や皮膚に付着しないように長袖・長ズボン・手袋・マスク・ゴーグルを必ず着用してください。
長袖・長ズボン・手袋は除草剤が肌に付着するのを避けるほかに、草むらで作業する際には虫刺され予防にもなります。また、液体除草剤を散布する場合は除草剤の飛沫を吸い込んでしまうおそれがあるため、口や鼻を保護するマスク・目の粘膜を保護するゴーグルがあるとより安心です。
液体除草剤は希釈して(薄めて)使用する場合が多いですが、散布は専用の噴霧器などを使用することをお勧めいたします。
もし噴霧器をお持ちでない場合はジョウロなどでも代用できますが、使用後のジョウロは洗剤できれいに洗浄してください。万一、除草剤の成分が残っていた場合、知らずにそのジョウロで花や野菜に水やりをしてしまうと枯らしてしまうおそれがあります。
除草剤は便利なもの
また、小さなお子様やペットのいるご家庭では厳重な注意のうえで除草剤を散布するようにし、散布した場所に立ち入りできないようにするなど工夫をしましょう。
体内に取り込んだ除草剤は、大人にとっては害とならない量であっても、犬や小さなお子様の場合は身体が小さいため中毒症状を起こすことがあります。除草剤を摂取してしまうことで起こる中毒を「除草剤中毒」といい、症状が重い場合命にかかわることになるかもしれません。
除草剤は用法などをしっかりと守って使用すれば、かなり有効な雑草対策となります。
商品の説明書をよくお読みになり、しっかりとした対策をすることで安全にご利用いただけます。
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