マルチシート 色の選び方
最近では家庭菜園用でも、穴あきの切売マルチがホームセンターなどで、色々な種類の商品が販売されております。
使い方は、畝を起こした表面をマルチシートで覆う、「マルチ栽培」と呼ばれる方法が一般的です。
販売されているマルチシートは数種類の色があるのをご存じでしょうか?今回はマルチシートの色と用途についてご説明いたします。
マルチシート全般については以前にご紹介したページがございますので、そちらもご参考にしてください。
マルチシートを使用する目的
マルチシートを使用する目的は、概ね次の4つです。
〇地温の調節 〇雑草の抑制
〇乾燥の防止 〇病気・害虫の予防効果
上記の中でも特に、地温の調節と雑草の抑制が特に大切で、効果を期待しやすいのが「黒色マルチ」です。
黒色マルチがよく畑などで見かけるのは、早春でまだ気温が低い時期です。気温が低いということは当然地中の地温も低く、そこで黒色マルチで畝を覆うと表面付近の地温が上昇して苗の根付きをよくしてくれます。また黒色なので、日光を遮るため、雑草も抑制する効果があるのです。
また、マルチシートで畝を覆うことにより適度な湿度も保たれるので、保水力が上がり、水やりの軽減も期待できるほか、雨が降った場合でも肥料が流れることを防いでくれたりもします。
そのほかにも畝の表面に直接風雨が当たらないことで、土の団粒構造が維持されやすく、ふかふかの畑を保ってくれるというメリットもあります。
マルチシートの色の種類
市販されているマルチシートには数種類の色のものがありますが、それぞれの色には特長があります。
ざっくりと仕訳すると左の図のように、黒色系のシートとそれ以外の色のシートに分けることができます。黒色系のシートは前述したとおり、日光を遮りますので、雑草の繁殖を抑制することが期待できます。
この他にも白や銀色のマルチシートは、日光を反射しますので反射光を嫌うアブラムシなどが近寄らなくなる防虫効果も期待できます。
透明マルチ
地温の上昇効果に最も優れた色ですが、透明ゆえに日光を通してしまうので、雑草を抑制する効果は期待できません。夏になると地温を上げすぎてしまうので、マルチシートの上に敷きわらなどして対策をする必要があります。
黒色マルチ
地温の上昇効果は透明のものより劣りますが、日光を強力に遮るために雑草の抑制効果が最も高い色のマルチシートです。黒色なのでフィルム自体に熱を持つ場合があり、葉焼けなどに注意が必要です。
銀色マルチ
日光を反射するので地温の上昇を抑える効果が期待できます。反射光を嫌うアブラムシやアザミウマといった害虫の忌避効果もあるとされております。
緑色マルチ
透明マルチほどではないものの、黒色マルチよりは地温を上げる効果が高いとされています。緑色マルチは光の中でも青と赤を透過しにくいので、雑草の抑制効果も多少は抑えることが出来るとされております。
白黒マルチ
表面が白色(日光を反射する効果)で、裏が黒色(日光を遮る効果)のマルチシートです。地温の上昇を抑える効果が最も高いとされており、裏が黒色なので雑草を抑制する効果も期待できます。
銀黒マルチ
表面が銀色(日光を反射する効果)で、裏が黒色(日光を遮る効果)のマルチで、特に白色より銀色の方が日光を反射しやすく、害虫の忌避効果は高いとされております。
各系統色の特徴
透明系
≫透明マルチ
≫緑色マルチ
〇日光を透過しやすい
〇畝全体の地温上昇効果
△雑草の抑制は期待できない
×夏場は高温になりすぎる
黒色系
≫黒色マルチ
〇日光を透過しない
〇雑草の繁殖を抑制できる
〇畝の表面付近が地温上昇
×夏場はフィルム自体が熱くなり、葉焼けなどに注意
反射系
≫銀色マルチ
≫白黒マルチ
≫銀黒マルチ
〇日光を反射しやすい
〇裏が黒色のものは雑草抑制効果
〇反射光が害虫の忌避効果
△他の系統に対して高価なシートが多い
×照り返しに注意
マルチシートを効果的に!
マルチシートはゴミが出てしまったり、片づけなければならないなどのデメリットは確かにあるのですが、それ以上に得られる効果は高いものがあります。
土壌の乾燥を防ぐほか、温度変化からの保護、雑草抑制効果、害虫の忌避、土壌の保護や流出を防ぐなどの効果は、とても農作業の軽減に役立ちます。
育てる農作物に合わせて効果的にマルチシートを利用して、丈夫な植物を育ててください。
質問・問い合わせは、メール、お電話で受付けしておりますのでお気軽にご連絡ください。
お問合わせはこちら