切り花延命剤の使い方
仏壇のある家庭ですと、1年を通して切り花をお供えしていることと思いますが、暑い夏の季節はどうしても切り花が長持ちいたしません。
今回は暑い夏の切り花に、ぜひ使っていただきたい切り花延命剤についてご紹介したいと思います。
関連して、切り花のお手入れに関しては以前にご紹介したページがございますので、こちらもご参考にしてください。
お墓や、仏壇にお供えする供花の選び方などは、こちらを参考に願います。
切り花を長持ちさせたい
切り花を長持ちさせるには、特に気を付けていただきたい点が2つほどあります。
毎日水を取り替える
花瓶の水が腐敗してしまうと、切り花は長持ちしません。暑い夏は特に水が腐敗しやすいので、毎日花瓶の水を取り替えてあげるようにしましょう。また、水を取り替える際には、傷んだ茎を切り戻してあげると、さらに水の吸い上げが良くなり長持ちします。
出来るだけ涼しい場所に飾る
直射日光が当たる場所は、それでなくても気温が高くなってしまうので、切り花は長持ちしません。温度の高くなりがちな窓辺や、涼しくても乾燥が激しいエアコンの風が直接当たる場所は避けた方が切り花は長持ちします。
切り花延命剤の効果
切り花延命剤は、粉末タイプと液体タイプがあり、お花屋さんで切り花を買うと小さめな袋で付いてきたりします。
花は切った瞬間から、栄養素が入ってくるところがなくなってしまいます。栄養の補給や、しおれないための働きをしてくれるのが切り花延命剤です。
切り花延命剤には栄養剤の他に、抗菌剤や殺菌剤・界面活性剤・エチレンの発生を阻害する成分など、花を生き生きと長く保つために必要なものがいろいろと入っています。
それぞれの切り花延命剤により効果は色々とありますが、次の効果が得られます。
水の腐敗を防ぐ抗菌効果
花瓶の水が腐敗することやバクテリア等の繁殖を防ぐために、硝酸銀、酢酸銀などの抗菌剤や殺菌剤が含まれています。抗菌剤・殺菌剤の主成分は銀で、切り花の老化ホルモンであるエチレンを抑制する働きもあり、花がしおれる原因となるエチレンを阻害する成分としても使われます。
必要なエネルギーを補給する
切り花延命剤はブドウ糖、ショ糖、マンニトールなどの糖類を含んだものがあります。
開花や花を鮮やかに保つためにはエネルギーが必要となります。もともと葉には多少の糖分があるのですが、切り花になって栄養を作られる場がなくなるので、延命剤で糖分を補給します。
水の吸い上げを良くする
一般的に、界面活性剤を含むものは水の吸い上げをよくする効果があります。
陽イオン系と陰イオン系とがありますので、確認しておきましょう。抗菌剤等に銀が含まれていますが、銀との組み合わせで安定を得るためには、陰イオン系の薬剤の方がより安定性が良いとされています。
切り花が鮮やかな色を保つ効果
切り花が鮮やかな色や香りを保ち、美しく咲き続けるために栄養素として、サッカロース、グルコース等の炭水化物が含まれていることがあります。
気をつけなければいけないこと
切り花延命剤は銀を成分に含むことが多いので、花器の素材によっては使えないことがあります。
例えば、真鍮・銅・ステンレスなどの花器を腐食させてしまう場合があるので、使用前に花器に使えるか確認しましょう。
仏花として活ける場合はとくに要注意で、心配な場合は仏花専用の切り花延命剤を購入することをおすすめします。
さいごに
夏の暑さには、人と同じように切り花も疲れがちになってしまいます。
切り花にも必要な栄養素を補給してあげたり、きれいな水を補給するなどして、長くお花を楽しんでください。
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