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庭木を雪害から守る冬囲い

大事な庭木を雪害から守る

冬囲い 雪囲い 雪害冬囲いは大切な庭木を枝折れや寒さから守る、樹木の冬支度です。庭木はもちろん、公園や街路樹を竹や縄またはムシロなどを使用して、雪や寒さから守ります。
冬囲いの支度風景は北海道では10月、東北や北陸では11月、関東でも12月くらいから目にするようになります。
冬囲いと一言で言っても、庭師さん達が日本庭園で囲う雪吊りもあれば、家庭での囲いこみまで様々ですが、何もしないでおくと降雪地帯では雪によって樹木を傷めてしまいます。
今回はそんな冬囲いについて、少しお話してみたいと思います。

冬囲いと雪囲い

色々調べていくうちに気付いたのですが、『冬囲い』と『雪囲い』は筆者も同じものだと考えていたら、実は少し違うようです。
では『冬囲い』と『雪囲い』はどのような違いがあるのでしょうか?

冬囲い

冬囲い 雪囲い 雪害冬囲いとは、樹木(主に庭木)を積雪や冷気から保護することを目的に、ワラやムシロを使って囲むことを言うようです。積雪寒冷地で広く見られる光景で、この時期に日本庭園などで見ることの出来る「雪吊」も冬囲いの一種です。

雪囲い

冬囲い 雪囲い 雪害雪囲いとは、日本の北海道や東北地方の日本海側、北陸地方のような豪雪地帯で、冬の間、家屋などの建物を囲うことや、またその囲いのことだそうです。
豪雪地帯では冬の積雪が2mを越すこともあり、建物が雪に埋もれてしまったり、雪の重みに押しつぶされたりすることもあります。そのため雪囲いは、豪雪地帯における冬の準備として行われてきました。
昔は屋根から地面に向かって木材を立て、その木材にそって板やワラ、ヨシなどで囲っていましたが、最近では波型のトタンやプラスチック製の板を利用して雪が滑り落ちやすくする工夫もされています。

冠雪害と雪圧害

さて、お話を『冬囲い』に戻します。樹木が雪害を受けるのは冠雪害と雪圧害の2種類があって、それぞれに効果的な対策が違います。樹木が受けている雪の害がどれなのかを知れば効果的な対策が出来るようになると思います。

冠雪害

冬囲い 雪囲い 雪害冠雪害は樹木の枝に雪が積もり、雪の重みで枝が折れてしまう被害です。冠雪害の効果的な対策として、支柱を立てて縄で吊る『雪吊り』や雪が降る前に枝を間引く『雪透かし』などがあります。

雪圧害

冬囲い 雪囲い 雪害雪圧害は積もった雪の圧力で、幹が曲がったり枝が折れたり、枝の根元から引きちぎられるような「枝抜け」があったりします。
効果的な対策としては、樹木を囲うように木材や竹などを三脚状に立てて支柱とする『囲い』や、枝を束ねてまとめて雪の圧力に対して強くする『結束』などがあります。

雪は積もっていくうちに、どんどん重さを増していくので、積もった雪の中ではものすごい力がかかります。この作用を『沈降圧』と言います。こうした積雪の沈降圧で、幹が折れたり曲がったりしないように、添え木や三脚状に支柱を立てたりします。また、枝が抜けたりするのを防ぐために、枝を纏めて縛ります。

常緑樹と落葉樹での違い

冬囲い 雪囲い 雪害樹木に対する冬囲いは、冬でも葉の落ちない常緑樹に対して行われることが多いです。
常緑樹の中でも針葉樹と広葉樹があり、また種類によって耐寒性なども違いますから、それぞれに合った冬囲いが必要となります。冬囲いが必要だと思っている植物を大きく次の2つのグループに分けてみてはどうでしょうか?
○雪圧対策と寒さ対策の両方が必要な植物。
○雪圧対策だけで、寒さ対策の必要が無い植物。

落葉樹は?

冬囲い 雪囲い 雪害落葉樹は基本的には冬囲いの必要は無いと言われております。落葉樹は越冬するために葉を落とし、糖分や脂質を樹木内に貯め込みます。多くん落葉樹は春が来たらすぐに花を咲かせることが出来るように、枝に花芽が準備されています。花芽は寒さや雪に耐えることが出来るように、鱗片葉(りんぺんよう)と呼ばれる硬い葉でガードされています。このように落葉樹には、雪や寒さの中で春を待つ仕組みが備わっているのです。
ですが、落葉樹のなかにも選定などを受けている樹木などでは冬囲いをしたり、枝を間引く『雪透かし』をする場合もあります。

樹木は意外と耐寒性に優れています

冬囲いをイメージすると、コモやネットなどを使い樹木を囲うことで保温するのを思い浮かべますが、冬囲いの主目的は雪の圧力から樹木の枝や幹を守ることです。
北国のイメージがある東北地方ですが、太平洋沿岸部では大雪が降ることが少ないため、これらの地方で冬囲いをしないところもあったりします。

植物が凍ることは無い?

冬囲い 雪囲い 雪害植物は細胞と細胞の間にある水分は凍ってしまうことがありますが、細胞の内部が凍らなければ枯死することはありません。
樹木だけでなく野菜などもそうですが、植物の細胞のなかの水分は、ただの水ではなく糖分などを含んだ水なので、そのぶん凍る温度が零度より低くなります。
このように一見凍ってしまっているようでも、細胞内は生きている状態を『器官外凍結』と言うのだそうです。
種子を冷凍してもまた発芽するのは、これと同じ仕組みです。また、白菜や大根は雪の下でも凍らないように、植物体内の糖分濃度を濃くします。雪下の野菜が甘かったり味が濃かったりするのはこのためです。

重要なのは低温よりも風対策

冬囲い 雪囲い 雪害想像以上に植物は低温には強いのですが、ここで注意したいのが風圧です。
地吹雪などで植物が痛めつけられてしまうと、かなりのダメージを受けてしまいます。風のあたり方次第では体感温度より高い気温の時でも、植物は傷んで枯れてしまうことがあります。
雪圧対策さえしておけば、むしろ雪にすっぽり覆われてしまった方が、風圧被害を防ぐことが出来るとも言えます。
では「どうするか?」ですが、枝を縛ったうえでコモやネットなどで覆ってしまうのが一つの方法です。樹木を一つ一つ覆うのは結構な作業ですので、フェンスにネットを張り、防風垣とする対策も有効と言えるでしょう。
同じ庭でも、風当たりが弱い場所の樹木には、雪圧対策で支柱を立てておく程度でも問題無いと言えます。

それぞれの樹木や場所に適した方法で、冬囲いをすると作業負担の軽減にもなるし、効果的な雪対策となるので、是非お試しください。

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