もうすぐお盆 どんなお花を持って行こう?
なぜお墓や仏壇にお花を供えるのか?
不思議に思ったことは無いのですが、昔からお寺やお墓詣りにはお花を持って行くのは普通だと思っておりました。
しかし、言われてみれば教会にお花を持って行くクリスチャンの方はあまり見かけないような気がしたもので、少し調べてみました。
お釈迦さまが起源
お釈迦様がまだ儒童梵士(じゅどうぼんし)と呼ばれていた前世で、修行していた時の事。
燃灯仏(ねんとうぶつ)という名前の仏様にお会いしました。是非ご供養差し上げたいと思いましたが、この時は丁度良いものが何もありませんでした。そこで、たまたま近くでお花を売っていた方の元へ行き、五茎の「青蓮華(しょうれんげ)」という名前のお花を買って、燃灯仏様をご供養しました。
というのが、「瑞応経」というお経に記載されているお話です。これが、仏様に花をお供えする始まりとされています。
どんなお花を選んだら良いのだろう?
”特別この花でなければならない”というのは無いようです。故人の好きだった花をお供えするのが良いと思いますが、あまり仏様にお供えするのが好ましくないお花もあるようです。
好んで仏様にお供えされるお花は、その花ことばにも気持を伝える意味があったりするようなのでご紹介いたします。
お供えするのに好まれるお花
○スプレー菊
・花ことば 私はあなたを愛する
○和菊
・花ことば 高貴・高尚・高潔・清浄
○スターチス
・花ことば 永遠に変わらない・変わらぬ心
○グラジオラス
・花ことば 忍び逢い、情熱的な恋
○カーネーション
・花ことば 感覚・感動・純粋な愛情。
特に赤い花は、母の愛・熱烈な愛。
○リンドウ
・花ことば 悲しんでいるあなたを愛する
○ケイトウ
・花ことば 感情的・個性・色あせぬ恋・情愛
○トルコキキョウ
・花ことば よい語らい・変わらぬ美・清々しい美しさ
○ユリ
・花ことば 威厳・純潔・無垢・純粋
お供えするのに好まれないお花
故人にお供えするお花なのでトゲや毒のある花、臭いの強すぎるお花も避けられているようです。
バラなど故人が好きであった場合はお供えするバラにはトゲの無い種類を選ぶなどをすれば大丈夫なようです。
毒・トゲ・臭いの強いお花を少し例をあげてみます。
お花に毒の成分があるお花
○ジギタリス
ジギタリスには全草に猛毒があり、ジギタリス中毒とも呼ばれる副作用として、不整脈や動悸などの循環器症状、嘔気・嘔吐などの消化器症状、頭痛・眩暈などの神経症状、視野が黄色く映る症状(黄視症)などがあるそうです。
○彼岸花
全草有毒で、経口摂取すると吐き気や下痢を起こし、ひどい場合には中枢神経の麻痺を起こして死に至ることもあるようです。なぜ「彼岸花」と名付けられたかには数説あるようですが、彼岸の頃に咲く花とか、その毒性で食べると「彼岸に行くしかない(つまり死亡)」という説などがあるようです。
○水仙
全草が有毒で鱗茎に特に毒成分が多く、食中毒症状と接触性皮膚炎症状を起こすようです。中毒は初期に強い嘔吐があり摂取物の大半が吐き出されるため症状が重篤に到ることは稀であるが、葉っぱがニラと似ているために家庭菜園でニラを栽培した時に間違って食べてしまう場合があるようです。
○鈴蘭
有毒物質は全草に持つようで、特に花や根に多く含まれるそうです。摂取した場合、嘔吐、頭痛、眩暈、心不全、血圧低下、心臓麻痺などの症状を起こし、重症の場合は死に至る。山菜のギョウジャニンニクと似ているために間違って食べて中毒をおこす場合もあるようです。
トゲや臭いの強いお花
トゲのある花
※トゲの無い種類や、トゲを処理してお供えしたほうが良いでしょう。
○バラ
○木瓜(ボケ)
○アザミ
臭いの強い花
※ダメという訳では無いようですが、避けられたほうが無難なようです。
○クチナシ
○キンモクセイ
お供えする花は造花でも良いのか?
前述のお釈迦様の起源にもあるように、生花をお供えしたほうが良いようです。
しかし、お墓やお寺は毎日行くこともできないので造花の仏花をお供えする場合は、お寺様などに聞いてみると良いようで、宗派によっては造花を供えることを嫌がる場合もあるようです。
普段は造花をお供えしていても、お盆やお彼岸、お正月には生花をお供えしましょう。
お花の他にもお供えするのは
精霊馬
ナスとキュウリで作った牛と馬をお盆に飾るのは、東日本に多く見られる風習です。その他の地方の方には、お盆に牛・馬を飾る習慣が無く「一体何だろう?」と思うみたいですね。
ナスとキュウリで牛と馬に見立てて作られたお盆の飾りは正式には「精霊馬(しょうりょううま)」と言います。牛も馬も合わせて精霊馬です。
お盆にはご先祖様の霊が家に帰ってくると言われるため、そのご先祖様をお迎えしたりお送りしたりする乗り物として、牛や馬を用意するわけです。
キュウリで作られたものが馬です。走るのが速い馬に乗って、ご先祖様に少しでも早く家に帰って来てもらいたいという気持ちが込められています。
ナスで作られたものが牛です。牛は歩みが遅いため、あの世へ帰るのはなるべくゆっくりにしてもらいたい・・・という、ご先祖様に対する名残惜しい気持ちが込められています。
大切なのは
お花や、お供物は何をあげるのかには正解はありません。
地域や宗派のしきたりや慣習を重視して花を供えることも、ご先祖様の好きな色や花にこだわり花を供えることも、ご先祖様を思う気持ちは同じです。
お墓参りに出掛けたら、ご先祖様のために花を選び、偲びながらお墓を華やかに飾ってあげましょう。
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