園芸歳時記 令和七年七月
園芸に関係する四季折々の気候や、栽培情報などを園芸歳時記と題して月ごとにご紹介しております。
過去に弊社ホームページで特集した内容など、この時期に閲覧していただきたい内容を今回は6項目に分けてご紹介しております。
これからどのような気候になるのか?どんな植物を育て始めようか?と思われている方にご参考にしていただきたいと思います。
【1】文月<ふみづき>
文月は「ふづき、ふみづき」と読み、その意味・由来・語源には諸説あります。
なかでも、「文被月(ふみひろげづき、ふみひらきづき)」が略されて「文月」に転じたという説が有力です。
この文被月とは、書道の上達を祈って、短冊に歌や願い事などを書く、七夕の行事にちなんだ呼び方だといわれています。
しかし奈良時代に中国から伝わった七夕は、古来の日本にはなかった行事であり、疑問視する声もあります。
ほかにも、収穫が近づくにつれて稲穂が膨らむことから「穂含月(ほふみづき)」「含月(ふくむづき)」が転じて「文月(ふづき)」になったという説、稲穂の膨らみが見られる月であることから「穂見月(ほみづき)」が転じたという説もあります。
7月頃に旬の野菜”枝豆”
夏の暑い盛り、キンキンに冷えたビールに、おつまみの枝豆はもう定番の組み合わせです。
採れたての枝豆を、さや付きで生から茹でると、風味は特に良いものです。
枝豆の栽培は場所を選ばないので、家庭菜園でも苗植えや種植えで特に人気のある野菜です。
おいしく枝豆を茹でるコツ
1.枝豆を茹でる時の塩加減は、水1ℓに対して塩40g(大さじ2)
この分量だと、約4%の濃度となります。
2.枝豆は、さっと洗って水気を切り、沸騰した塩入のお湯で4~6分茹でる。
頃合いだと思う頃に1つ2つ食べてみて、ちょうどよい硬さでお湯を切る。
3.お湯を切った後の枝豆は、水につけて冷まさず、ざる上げした状態で冷まします。
塩分が足りないと思う場合は、ザルにあけ湯切りした状態の枝豆に振り塩をします。ザルごと振って、枝豆全体に塩がなじむようにします。
家庭菜園用に市販されている枝豆(種など)
〇湯あがり娘
食味の良さに特に影響するショ糖含量の多い茶豆風味の良食味品種です。毛茸は白く、ゆであがった莢(サヤ)・実色は鮮やかな緑色で、3粒莢率も高いのが特長です。
〇サッポロミドリ
誕生から50年以上の枝豆ロングセラー品種。莢(サヤ)は鮮やかな緑色で、3粒莢の割合が高いのも特長です。
〇丹波黒大豆
品質のよい大粒の黒豆です。枝豆として収穫すれば、コクと甘みの強いおいしい枝豆が楽しめます。煮豆用として収穫すれば、煮ても色ツヤのよいふっくらした煮豆が楽しめます。
【2】7月の二十四節気
小暑【7月7日】
暑さがどんどん強くなっていくという意味があり、この頃から暑さが本格的になってきますが、梅雨の終わる頃で、集中豪雨が多く発生する時季でもあります。
この日から暑中見舞いを出し始めるとされております(正式には大暑から)。
梅雨が明け、強い日差しと共に気温が一気に上がる時季のため、体調を崩しやすくなる頃でもあります。天気予報やニュースで「小暑」という言葉を耳にしたら、本格的な夏を迎える合図だと思って下さい。
暑さを乗り切るために、しっかり食べて 体力をつけておきたい頃です。
この頃は蓮の花が咲き始める頃でもあります。少し風流に蓮観賞に出掛けてみてはいかがでしょうか?
蓮の花は午後には花がしぼんでしまいますので、行かれる時は朝の早い時間が良いでしょう。
大暑【7月22日】
快晴が続き、気温が上がり続ける頃です。
最も暑い頃という意味ですが、実際の暑さのピークはもう少し後になります。
『暦便覧』には「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」と記されています。
夏の土用が大暑の数日前から始まり、大暑の間中続きます。小暑と大暑の一か月間が暑中で、暑中見舞いはこの期間内に送るとされています。
【3】7月に需要が高まる園芸商品
切花延命剤
せっかく飾ったお花であれば、キレイに長持ちさせたいものですが、高温が続く夏場では切花自体や活け水も劣化しがちになります。切花延命剤は切花に必要な栄養素を供給するばかりではなく、活け水の劣化も防ぐ機能を持った商品です。
あおもり藍切花延命剤
「あおもり藍の切花延命剤」は、無農薬で育てた「あおもり藍」から抽出したエキスを配合することで、菌の繁殖を抑制することが出来る切花延命剤です。天然成分で切花を長持ちさせることが出来ます。
クリザールフラワーフード
クリザールフラワーフードは、ご家庭用の切り花鮮度保持剤です。切り花の水揚げを促進し、十分な栄養を与え、切り花を美しく咲かせ、日持ちを長くします。花器の生け水を清潔に保ちます。すべての切り花にご使用いただけます。
キープフラワー
花びんの中のバクテリアの繁殖を抑え、切花に必要な栄養を補給します。
キープ・フラワーは、毎日の花瓶の水替えの煩わしさを避け、花の美しさを最大限に引き出し長持ちさせることが出来ます。
殺菌殺虫剤
盛夏となるこの季節は、植物にもっとも害虫が付きやすい季節でもあります。害虫が付くと植物は病気にもなりがちです。植物の病気は予防が肝心。病気にも病気の原因となる害虫にも効果のある殺菌殺虫剤の一例です。
サンヨール液剤AL
サンヨールALは野菜と花の病気と虫にダブルの効果がある殺菌殺虫剤です。
特に気温が高くなる盛夏では、乾燥した環境に強いコナジラミが発生しやすく、サンヨール液剤ALはコナジラミにも抜群の効果があります。
カダンセーフ
食品成分由来の膜が病害虫を包んで退治。害虫は呼吸ができずに窒息死し、病原菌も栄養を得られず死滅します。屋内での使用や、お子様・ペットのいるご家庭にもおすすめです。
カダンプラスDX
花や野菜、庭木など幅広い植物に使用でき、病害虫をしっかり駆除・予防。一年中いるアブラムシをはじめ、秋のキャベツにつくアオムシ、冬の庭木につくカイガラムシなどにも使えます。
除草剤
除草剤は面倒な雑草の刈り込み作業を軽減してくれる便利な薬品です。
畑などにも使用できるものや、ジョウロ感覚で手軽に散布できるものもあります。
クサストッパー
○このまま使えるシャワータイプの除草剤です。
○既に成長途中の雑草に有効な除草剤です。
○家のまわり・駐車場・墓地・道路などの雑草退治にご使用いただけます。
○雑草がしっとり濡れる程度に散布してください。通常2~14日で枯れ始めます。
ラウンドアップマックスロード
散布から1時間経過すれば、雨が降ってきても効果のある除草剤です。従来のラウンドアップより特に散布後の雨や朝露の他、低温にも強い仕様となっております。
アースカマイラズ 草消滅
すばやく効いて8~最長10ヵ月効果が持続します。
速効性と持続性の2つの特長を併せ持った除草剤で、広範囲にまきやすいジョウロヘッド付きの、そのまま撒ける液体除草剤です。
【4】液体肥料(液肥)の使い方
元肥などとして、化成肥料や粒の肥料を使用している園芸愛好家は多いと思いますが、追肥はどうでしょうか?
それぞれに使いやすい肥料を選んでいることと思いますが、液肥を使ってみたことはありますか?
今回は、初めて植物を育てている方にも耳寄りな、追肥として使いやす液体肥料についてご説明いたします。
肥料について
肥料については以前にご紹介したページがございます。肥料の三大要素や、肥料の種類などを詳しくご説明しておりますので、こちらのページも併せてご参考にしてください。
特に固形肥料で使用する機会の多い化成肥料と配合肥料についても、過去に特集したページがございますので、こちらもご参考にしてください。
市販されている液肥について
液肥とは、文字通り液状になった液体の肥料のことです。いろいろな種類の液肥(液体肥料)が市販されておりますが、ほとんどの場合、リン酸(P)分の割合が高い液肥が多いです。また、市販の液体肥料には原液タイプと希釈タイプの2種類が販売されています。
原液タイプ
水で250倍~1000倍などに薄めて使用するタイプの液肥です。
原液や、希釈濃度が高すぎる状態で植物に与えてしまうと、肥料焼けなどの生育障害を起こしてしまうので、「早く育ってほしい・・・」と思っても、希釈濃度は守って使用しましょう。
希釈タイプ(ストレートタイプ)の液肥よりも価格的にも安く済むので、経済的です。
希釈タイプ(ストレートタイプ)
初めから希釈されてあるタイプの液肥です。肥料焼けなどの心配がなく、安心して使用することはできますが、原液タイプの液肥と比べると、価格的に高くついてしまうので、初めて使用する方へお勧めいたします。
液体肥料が活躍する場面
マルチ栽培時の追肥として
地面を黒マルチなどで覆っているマルチ栽培時は、土に肥料を混ぜ込まなければならないので固形肥料を使用すると、手間がかかってしまいます。このような時に液肥を使用すると、普段の水やりとして植物に与えることができるので簡単に施肥をすることが出来ます。
植物の葉面に散布したい時に
肥料不足が顕著な時など、早急なトラブル対策のため、速効性のある液肥を葉面に散布して肥料分の急速補給をすることも出来ます。
中でも、尿素は窒素肥料を多く含み、水に溶けやすく、葉面の吸収性が高いため、葉面散布によく使用されます。
水耕栽培での施肥
土での栽培と違い、根を水につけて育てる水耕栽培は固形肥料が使用できません。そのため必然的に液肥が使用されます。
液体肥料を使用するメリット
固形肥料を使用できない、または使用しづらい状況下では液肥が威力を発揮します。一方で、いつも固形肥料を使用している環境で液肥を使用するとどんなメリットがあるのでしょうか?
肥料の中で、栄養を一番早く届ける≪速効性≫
元々化成肥料などの速効性の肥料は、素早く植物に栄養を与えることができますが、液肥の場合にはさらに早く植物に栄養を届けることができます。
固形肥料の場合、水分や土中のバクテリアなどで、肥料分を分解してからでなくては、植物は栄養を摂取することが出来ません。対して、液肥の場合ですと最初から水に栄養分が溶け込んでいるので、植物はそのまま栄養を摂取することが出来ます。
肥料分を必要な分だけ補給する
液肥は、固形肥料と違い流動的な肥料ですので、その場にとどまることができません。そのため、肥料を与えすぎたとしても水で流すことができますので、初心者にありがちな肥料の与えすぎを防ぐことができます。
根から栄養を吸収できない植物に
根から栄養を吸収しにくい時には液肥で栄養を補給させることができます。例えば、冬期は地温が15℃以下になり根の活動が鈍ります。そんな養分を吸収しづらくなる時期に、液肥を葉面散布することにより植物に栄養を与えることができます。他にも、植物の根が傷んでいる状態、接ぎ木したばかりで根が発達していない状態などにも効果的に栄養を補給することができます。
液体肥料のデメリット
メリットの多い液肥ですが、意外なデメリットがあります。
それは速効性がある反面、肥料分の効果が長続きしないという点です。流動的な液肥はその場に長く留まることが出来なく、肥料の与えすぎを防ぐ反面、施肥をする回数を増やさなければ、肥料分の補給ができないということです。このデメリットを防ぐには、こまめに液肥を与えること(1週間に1~2回)で回避できます。植物の水やり時に、ジョーロに汲んだ水に液肥を入れてあげるなどすれば大丈夫です。
さいごに
使用方法を間違えないと、液肥はとても便利で使いやすい肥料です。
液肥を上手に使って、きれいなお花や、丈夫な野菜を育ててください。
【5】7月に農作業の始まる野菜
7月に種撒き、苗の定植などが始まる野菜の一例をご紹介致します。
※寒冷地や、温暖な地域などで差が出る場合もありますので、作付する地域の気候に合うように農作業を始めることをお勧めいたします。
| 作物名 | 一年/多年 | 生育温度 | 種まき | 苗植え | 旬の収穫時期 |
| 青唐辛子 | 一年生 | 20~30℃ | 2月~5月 | 4月~7月 | 7月~9月 |
| アスパラガス | 多年生 | 15~20℃ | 2月~4月 | 4月~7月 | 4月~6月 |
| 貝割れ大根 | 二年生 | 20℃前後 | 年中 | 年中 | 年中 |
| 蕪 | 二年生 | 20℃前後 | 4月~9月 | – | 10月~11月 |
| 南瓜 | 一年生 | 20℃前後 | 3月~6月 | 4月~7月 | 7月~12月 |
| カリフラワー | 一年生 | 15~25℃ | 年中 | 年中 | 11月~3月 |
| キャベツ | 一年生 | 15~20℃ | 年中 | 年中 | 12月~6月 |
| 胡瓜 | 一年生 | 20~25℃ | 4月~6月 | 4月~7月 | 6月~8月 |
| 小松菜 | 一年生 | 15~25℃ | 3月~10月 | – | 12月~2月 |
| さやえんどう | 一年生 | 15~20℃ | 10月~8月 | – | 4月~6月 |
| ちんげんさい | 一年生 | 20℃前後 | 3月~10月 | – | 9月~12月 |
| 蔓紫 | 一年生 | 20~30℃ | 4月~7月 | – | 6月~10月 |
| 唐辛子 | 一年生 | 20~30℃ | 2月~5月 | 4月~7月 | 7月~9月 |
| とうもろこし | 一年生 | 20~30℃ | 3月~7月 | – | 7月~8月 |
| トマト | 多年生 | 20~30℃ | 2月~5月 | 4月~7月 | 6月~8月 |
| 長葱 | 一年生 | 20℃前後 | 3月~10月 | 4月~10月 | 11月~2月 |
| 韮 | 多年生 | 20~25℃ | 3月~4月 | 6月~7月 | 3月~5月 |
| 人参 | 二年生 | 20℃前後 | 3月~9月 | – | 10月~12月 |
| 白菜 | 二年生 | 20℃前後 | 3月~9月 | 4月~5月 | 11月~2月 |
| ブロッコリー | 多年生 | 15~20℃ | 6月~9月 | 7月~10月 | 11月~3月 |
| ほうれんそう | 一年生 | 15~20℃ | 年中 | 年中 | 11月~2月 |
| 水菜 | 二年生 | 15~25℃ | 4月~9月 | – | 12月~3月 |
| 三つ葉 | 多年生 | 17~20℃ | 3月~10月 | – | 3月~4月 |
| 芽キャベツ | 一年生 | 15~20℃ | 年中 | 年中 | 12月~1月 |
| モロヘイヤ | 一年生 | 20~30℃ | 4月~6月 | 5月~7月 | 7月~8月 |
| ルッコラ | 一年生 | 15~20℃ | 4月~7月 | – | 4月~6月 |
| レタス | 一年生 | 15~20℃ | 2月~9月 | 3月~10月 | 4月~8月 |
【6】7月頃のご参考ページ
質問・問い合わせは、メール、お電話で受付けしておりますのでお気軽にご連絡ください。
お問合わせはこちら