園芸歳時記 令和七年十二月
園芸に関係する四季折々の気候や、栽培情報などを園芸歳時記と題して月ごとにご紹介しております。
過去に弊社ホームページで特集した内容など、この時期に閲覧していただきたい内容を今回は6項目に分けてご紹介しております。
これからどのような気候になるのか?どんな植物を育て始めようか?と思われている方にご参考にしていただきたいと思います。
【1】師走<しわす>
師走は「しわす・しはす」と読み、その意味や由来・語源は、現在では正確なものは伝わっておりません。
平安時代の頃に、師(僧侶の意味、現在でもお通夜・お葬式の時に導師様と言ったりします)が、お経をあげるために東西を馳せ走る月であることから、シハセ(師馳)が「師走」になったという説があるそうですが、平安時代以前より既に師走という言葉は使われていたようです。
話は変わりますが、12月13日を「正月事始め」と言い、お正月の準備にとりかかる日とされています。特に13日は「松迎え」という行事で、由来は平安貴族が13日に正月に使用する松を採りにいったと伝えられています。現在では主に市場や商店などで正月用品を売りはじめる日としても、ニュースなどで取り上げられたりもします。
12月頃に旬の野菜”白菜”
白菜が最もおいしくなる季節は冬季です。白菜は英語で”Chainese cabbage”や、”napa cabbage”と呼ばれているそうなので、英語圏の人たちから見るとキャベツのように葉を巻き込んで結球する形状に由来があるようです。
“Chainese cabbage”といわれるように、中国原産の白菜ですが、中国語では「大白菜」と「小白菜」に分かれており「大白菜」の中には、白菜の他にもチンゲン菜や山東菜も含まれるというのも面白いと思います。
白菜が日本にやってきたのは、江戸時代以前からという説がありますが、日本で栽培が盛んになったのは明治以降とのことです。
明治8年(1875年)に、日本政府が清国から白菜の種子を持ち帰り栽培を試みますが、この時は結球せず、その後も種子を採って育ててみるものの、年を追うごとに白菜の特徴が失われ失敗と判断されたそうです。
時代は下り日清戦争(1894-1895年)の時に、中国大陸へ渡った現地軍隊の食事となり、愛知県や茨城県でも試験場などで栽培に成功したこともあり、日本で白菜が広く知れ渡っていったと伝えられております。
白菜の食べ方
11月から2月頃の秋から冬にかけては、白菜の糖分が増加し、甘みが増して最もおいしい頃となります。また、葉が締まることにより、歯ごたえも良くなります。
この時期に白菜が最もおいしくなる理由は、寒さに耐えるためです。白菜は寒くなると糖分を蓄え、葉を締めることにより凍害から身を守ろうとします。そのため、寒い時期の白菜は甘みが増して栄養価も高くなるのです。
白菜の調理方法としては、定番の鍋はもちろん、炒め物や煮物、漬物、おひたしなどで食べる機会が多いのではないでしょうか?
独特の食べ方としては、青森県の津軽地方に「葉くるみ漬」という漬物があります。低塩分で漬け込んだ大根を芯にして、同様に漬け込んだ白菜の葉で手巻にした漬物です。大根の歯ごたえと白菜の甘みが合わさった独特の味わいが特徴で、酒粕や味噌を使って漬け込む方法もあります。
「これがないと始まらない」という人もいるほどに愛されている、津軽の郷土料理です。
【2】12月の二十四節気
大雪【12月7日】
大雪(たいせつ)とは、本格的に冬が到来する頃です。山々は雪に覆われ、平野部でも雪が積もりはじめる頃です。
熊は穴にこもる時期でもあり、鮭が川を遡上する時期ともされています。
いずれにせよ、一年の終わりや、冬の到来を肌で感じる時期と言えそうです。
冬至【12月22日】
冬至(とうじ)とは、一年でもっとも昼が短く、夜が長い頃です。
冬至の日には、寒さを乗り切るために栄養価の高いカボチャを食べ、柚子湯に浸かって無病息災を願う風習があります。
この頃には門松やしめ縄の準備をしたり、鏡餅やお正月用のお餅をついたりと、「今年も終わりだな」と感じる時期です。
【3】12月に需要が高まる園芸商品
収穫・贈答資材
12月はお歳暮のシーズン。
自分で収穫した農作物を化粧箱に入れて、お世話になった人に贈りましょう。
末吉商店は各種収穫・贈答資材を取り揃えてサポートをいたします。
りんご収穫資材
青森県の津軽地方は全国でも有数のりんご生産量を誇ります。
弊社は、あらゆるりんごの生産資材を取り扱っており、もちろんダンボールやモールド、ネットなどプロの農家様から家庭の贈答用にも使用できる商材を取り揃えております。
お米収穫資材
収穫したお米を贈答用に化粧するダンボールや紙袋などを各種取り揃えております。この他にもお米柄のクラフトテープや品種ごとのラミネート袋なども取り揃えております。
ネズミ対策用品
この時期は倉庫などに収穫した食料を保管しておく時期です。家ネズミは保管した食料を狙い、活動が活発となります。
弊社は業務用から家庭用まで、あらゆるネズミ対策商材を取り揃えております。
水につよいチュークリン業務用
安心の日本製。プロの駆除業者も使っている耐水台紙で、水濡れに強く使用場所を選びません。
・衛生業者が実際に業務で使用している、耐水性の台紙と波型粘着剤を使用したシートです。
・殺鼠剤のような毒性物質を含まないので、安心してお使いいただけます。
ネズレスプロ置くだけ
・ネズミの嫌がる強力な臭いにより、ネズミの嗅覚を麻痺させて追い出す臭気タイプの忌避剤です。
・本品を常時設置することにより、ネズミに警戒心を与え近寄らなくさせます。
・分包のまま置くだけなので、取扱いが簡単です。
・臭いは約1~2ヶ月持続。成分には天然抽出物を使用しています。
冬囲い資材
まだ雪が積もっていない地域では、冬囲いはこれからでも間に合います。
本格的な降雪となる前に、庭木を冬囲いすることをお勧めいたします。
弊社では、冬囲いに必要な荒縄・ネットなどの冬囲い資材を各種取り揃えております。
荒縄
荒縄は稲わらを編んで作られる天然素材のロープです。長所はとにかく見た目が綺麗であるのと、植物を傷めにくいという点です。
販売されている単位は長さでは無く、重さで表記されていることが多いので、縄の太さが細いほど同じ重量だと長くなるのに対して、太ければ同じ重量でも短くなります。
殆どの場合、玉巻きで販売されております。
防風・防雪ネット
防風・防雪ネットは、冬囲い用のポリエチレンで作られたネットです。
4㎜目のネットで、最大の長所は安価であり腐食しないので長く使用することが出来ます。
“こも”や麻布などに比べると非常に軽いので、初心者の方でも作業がはかどります。ハサミ等でカットするにも切りやすく“ほつれにくい”のも助かります。
土壌改良剤
植物にとって住居とも言える土壌、この土壌を改良してあげることにより、植物をより快適に成長させてあげることが出来るようになります。人間が住む住居も長年住んでいると、風化して傷んできたり、時には天災を受ける事もあります。土壌も何回も繰り返して使っていると、傷んでしまうのです。土壌改良剤は、言わば土壌のリフォーム剤です。
ビートルパワーファーマー
土壌において肥料や有機物を分解しながら植物の吸収できる栄養(無機物)となるには微生物は必要不可欠であり微生物の働きでその後の生育は大きく左右されます。
微生物は分解しにくい有機物(魚粕、種粕等)ほど分解工程で活性化して微生物のチカラを発揮させながら土壌中の有用物質となります。また微生物が多くなると土壌は柔らかくなり最終的には地力向上の手段の一つとして有機物を分解した腐植を増加し保肥力を高めて土壌は安定していきます。
・菌種(10 種類)菌数が豊富で好気性、嫌気性の菌を共棲。
・有機物の分解を速やかに行い肥料の吸収を助ける。
・微生物が活動した後の代謝物が植物へ好影響。
・土壌の生物性が豊かになり柔らかい土となる。
・原料:微生物、水、魚エキス
堆肥類
土壌に有機分や微生物がなぜ必要かと言うと、バクテリアなどの微生物は有機成分を食糧として、無機物の肥料分を生み出します。せっかく有機系の肥料を施肥したとしても、良性の微生物が土中にいないと植物は十分に肥料分を吸収できないということです。土壌を使い続けて有機分や微生物がいなくなり、収量などを十分に確保出来ないことを“連作障害”と言い、連作障害の対策としては、もみ殻・牛フン・生ゴミなどから作られる堆肥を土壌に混ぜる方法があります。
また最近では、水で薄めて土壌に撒くタイプや、土壌の土と混ぜるタイプの促進材なども販売されております。
【4】今年の冬は暖冬?それとも大雪?
11月の末頃から、12月の初め頃だと東北や北海道では既に雪が降っている季節です。
降雪地域に暮らす人にとって、その年の降雪量はとても気にことの一つです。なぜなら、毎日の雪片付けはとても重労働であるし、大雪になって雪解けが遅いと農業や園芸に携わる人であれば、耕作期間が短くなることになります。
今回は、この先の降雪量に関する予報の紹介や、古くから雪にまつわる言い伝えなどを紹介したいと思います。
最初に断っておきますが、雪に関する言い伝えは必ずしも科学的根拠がある訳ではありません。「そんな予測もあるのか?」というくらいの気持ちで読んでいただければと思います。
気象庁などが発表する季節予報
まずは気象庁が発表する季節予報です。似たような予報に長期予報という予報もございますが、少し違います。
長期予報
予報を行う時点から、8日間先を超える予報が長期予報です。
季節予報も長期予報に入りますが、2週間気温予想なども長期予報に入ります。
現在、気象庁が定期的に発表している各地の天候・気温などが含まれる天気予報は8日間が最長で、それ以上の長期予報に分類される予報では、天候や最高最低気温といった予報の仕方ではなく、「平年よりも気温が高い・低い」などのように具体的な数値は出てきません。
一方で、民間やメディアの天気予報だと、2週間や20日間などで区切り、天候や最高最低気温を予想する天気予報もありますが、当然ながら先の予報になるほど信頼度は下がる傾向にあります。
季節予報
前述しましたが、季節予報も長期予報の一種です。
気象庁が発表する季節予報は、
〇1か月予報
〇3か月予報
〇暖候期予報
〇寒候期予報
の4種類を発表しております。
このうち寒候期予報が、次の冬シーズンの降雪量を予測した最初の予報となります。
寒候期予報は、その年の冬(12月~2月)の平均気温や降水量、日本海側の合計降雪量などの傾向を予報するもので、通常9月25日頃に発表されます。
今年の冬はどんな傾向か?
2025年11月25日発表の気象庁、3か月予報では、次のような予報が発表されました。
予報のポイント
・気温は、全国的にほぼ平年並ですが、北日本で平年並または高い確率が40%
・降水量は、東日本太平洋側と西日本と沖縄・奄美で少ない確率50%
・冬の降雪量は、西日本日本海側で多い確率が40%
※⻄⽇本⽇本海側の降雪量予報は近畿⽇本海側と⼭陰を対象としており、九州北部地⽅は含みません。
冬(12月~2月)の平均気温・降水量・降雪量
※寒候期予報として、9月22日に気象庁が発表
| 平均気温 冬(12月~2月) |
降水量 冬(12月~2月) |
降雪量 冬(12月~2月) |
||
|---|---|---|---|---|
| 北日本 | 日本海側 |
低30 並30 高40%
ほぼ平年並の見込み
|
少30 並30 多40%
ほぼ平年並の見込み
|
少30 並30 多40%
ほぼ平年並の見込み
|
| 太平洋側 |
少30 並40 多30%
ほぼ平年並の見込み
|
予報しません | ||
| 東日本 | 日本海側 |
低30 並40 高30%
ほぼ平年並の見込み
|
少20 並40 多40%
平年並か多い見込み
|
少30 並30 多40%
ほぼ平年並の見込み
|
| 太平洋側 |
少50 並30 多20%
少ない見込み
|
予報しません | ||
| 西日本 | 日本海側 |
低30 並40 高30%
ほぼ平年並の見込み
|
少40 並40 多20%
平年並か少ない見込み
|
少20 並40 多40%
平年並か多い見込み
|
| 太平洋側 |
少50 並30 多20%
少ない見込み
|
予報しません | ||
| 沖縄・奄美 |
低40 並30 高30%
ほぼ平年並の見込み
|
少50 並30 多20%
少ない見込み
|
予報しません | |
これらの情報から考察すると、平年並みの降雪量が予想されるようですが、次のような情報もあるので参考に願います。
〇日本周辺で、ラニーニャ現象に似た状況が起きており、このため日本海の海水温が平年に比べて高い傾向にある。ただし、この傾向は年明けとともに解消されるのが見込まれる。
・日本海の海水温が高いと、日本海側の地域で大雪になることがある。
〇昨年大蛇行していた上空の偏西風について、今年は平年と同様の位置を流れている。
・蛇行していない分、気圧の谷や屋根を作りにくい。
〇2017年8月に発生した黒潮大蛇行は7年9か月継続し、2025年4月に終息したと2025年8月29日に気象庁が発表した。
・黒潮が日本付近を流れることになるので、太平洋側では大雪にはなりにくいが、大雨の可能性はある。
昨シーズンの大雪を考える
昨シーズン(2024年12月から2025年3月)は、日本海側を中心に記録的な大雪のシーズンとなりました。この大雪に関して「なぜだったのか?」を考えることにより、今後の天気の参考にしていただければと思います。
昨シーズンの大雪の原因
〇偏西風の蛇行と強い寒気の流入
・日本付近で偏西風が平年よりも南に大きく蛇行したことで、北極などからの非常に強い寒気が日本列島に流れ込みやすくなりました。
・この強い寒気を伴った大規模な低気圧が分裂・南下したことも影響しました。
〇日本海の高い海面水温
・昨シーズンはエルニーニョ現象の影響もあり、日本の年平均気温は観測史上最も高くなりましたが、これは同時に日本海の海面水温も平年より高くなっていたことを意味します。
・暖かい海面からは大量の水蒸気が蒸発します。この水蒸気が、大陸から吹いてくる冷たい北西季節風に乗って日本列島に到達し、山脈にぶつかって上昇する際に、一気に雪雲へと発達しました。
日本海側で大雪をもたらすメカニズム
イラストは冬型の気圧配置がもたらす大雪の概念図です。
シベリアから吹く冷たく乾いた空気は、暖かい日本海で水蒸気を補給し、雪雲を作ります。 このとき、海に接する空気は暖められますが、上空は冷たく乾燥したままのため、大気の状態は不安定となって雪雲が発達します。
また、日本海側沿岸に達した雪雲は、山岳などにより強制上昇することで更に発達し、日本海側に大雪をもたらしますが、標高の高い山脈により雪雲は遮られ、太平洋側では晴れる日が多くなります。
ピンポイントで事前に大雪や大雨を予想することは、なかなか出来ません。
しかし、長期予報や、海水温、偏西風の動きなどの発表を参考にすると、何となくシーズンの降雪量が多い傾向にあるのか、少ない傾向にあるのかについて予測を立てることは出来る場合があります。
そのシーズンが大雪をもたらす可能性が多いと判断した場合、前もって除雪用品の購入や食料のストックを心がけていれば、急な大雪が降ったとしても、凌げる助けにはなるのではないでしょうか?
【5】12月に農作業の始まる野菜
12月に種撒き、苗の定植などが始まる野菜の一例をご紹介致します。
※寒冷地や、温暖な地域などで差が出る場合もありますので、作付する地域の気候に合うように農作業を始めることをお勧めいたします。
| 作物名 | 一年/多年 | 生育温度 | 種まき | 苗植え | 旬の収穫時期 |
| 貝割れ大根 | 二年生 | 20℃前後 | 年中 | 年中 | 年中 |
| カリフラワー | 一年生 | 15~25℃ | 年中 | 年中 | 11月~3月 |
| キャベツ | 一年生 | 15~20℃ | 年中 | 年中 | 12月~6月 |
| さやえんどう | 一年生 | 10~20℃ | 10月~8月 | – | 4月~6月 |
| 玉葱 | 多年生 | 15~20℃ | 8月~10月 | 10月~12月 | 3月~4月 |
| 菜の花 | 二年生 | 15~20℃ | 9月~12月 | – | 1月~3月 |
| ほうれんそう | 一年生 | 15~20℃ | 年中 | 年中 | 11月~2月 |
| 芽キャベツ | 一年生 | 15~20℃ | 年中 | 年中 | 12月~1月 |
【6】12月頃のご参考ページ
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