ハロウィンってどんな行事?
ルーツは古代ケルト人の行事
ハロウィンの元となった行事はかなり古くからのようで、紀元前400年頃にはヨーロッパの広い地域で生活していたようです。
ケルト人の一年の終わりは10月31日で、この日の夜は秋の終わりと冬の始まりでもあり、死者の霊が家族を訪ねてくると信じられていたようです。時期を同じくして出てくる有害な精霊や魔女から身を守るために仮面を被り、魔除けの焚き火をしていたそうです。(何だか日本のお盆に似ているような、似ていないような・・・)
もともとは秋の収穫を祝い、悪霊を追い払う宗教的な意味合いの強い行事だったようです。この宗教的な行事ですが、どうやらキリスト教とは関係が無いようで、(紀元前400年頃には始まっていたとされると、キリストが生まれる以前からの行事だった)むしろキリスト教からは異教徒の行事と解釈されていたようです。
現在のハロウィンは宗教的な要素はかなり薄いようで、地域の子供たちが仮装して『Trick or Treat(ごちそうをくれないと悪戯しちゃうぞ)』と唱えながら、大人からお菓子をもらう恒例の行事がメインになっているようです。
子供たちも十代になってくると庭木にトイレットペーパーをかけたり、家や車に卵を投げたりする悪戯をすることがあり、それに対する方法も色々考えられるようです。
ハロウィンの他にも欧米では秋に行われる行事が多いようですので、少し紹介しますね。
収穫祭
収穫祭と言うと、欧米のフェスティバルのようなスタイルで行われる行事を想像する方も多いかもしれませんが、読んで字のごとく農作物の収穫に感謝するお祭りのことです。
ハロウィンも収穫祭の1つですが、日本では11月23日に新嘗祭(にいなめさい)と呼ばれる行事が宮中で天皇陛下により執り行われます。ちょっと聞きなれない方も多いのですが、この日は勤労感謝の日という祝日となります。勤労感謝の日は「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」を趣旨としており、単に収穫祭と言うよりは、生産・勤労そのものに感謝する日ですね。
余談ながら今年の新嘗祭は特別です。今年の5月1日に即位された今上天皇の行う初めての新嘗祭なので特に『大嘗祭(だいじょうさい)』と呼ばれる行事となり、例年の新嘗祭よりも規模が大きくなるそうです。
感謝祭
感謝祭は現在、アメリカとカナダの祝日とされている日です。アメリカでは11月の第4木曜日、カナダでは10月の第2月曜日に指定されています。
何をする行事かというと、たくさんの家族や友人と大規模な食事会をする日のことだそうで、日本でいえばお正月のようなイメージなのでしょうか?
この食事会に欠かせないのが七面鳥の丸焼きだそうですが、恒例行事で感謝祭の朝にアメリカ大統領が2羽の七面鳥に恩赦を与えるそうで、丸焼きを逃れる運の良い七面鳥もいるそうです。
仮装とジャック・オ・ランタン
ハロウィンと言えば仮装やジャック・オ・ランタンが定番ですが、これらにはどんな意味があるのでしょうか?
諸説あるようですが、一般的な説を少しご紹介します。
仮装
古代ケルト人が、仮面を被って魔女や悪霊から身を守り、そして追い払っていたことが始まりだそうです。もともとは魔女やゴーストなど、怖いコスチュームが主流でしたが、最近ではプリンセスやアニメのキャラクターなど、楽しいイメージの仮装もよく見られ、人気があります。宗教的な意味合いが薄れてしまった現在では、明るい楽しいイベントとして知られ、人々もお互いに「Happy Halloween!」と挨拶をするようになったほどです。
ジャック・オ・ランタン
ハロウィンと聞いて真っ先に思い浮かぶジャック・オ・ランタンの風習はアメリカで確立されたもののようです。
古代ケルトの伝説で、“ずる賢いジャックは、悪魔をだまして生き長らえたため、寿命が尽きたのに天国へも地獄へも行けなくなり、カブで作ったランタンを持ってあの世とこの世を永遠にさまよい続けている『ランタンのジャック』”というアイルランドの古い民話を元にした「ジャック・オ・ランタン」は、アメリカでカブからカボチャへと姿を変えます。当時のアメリカではカボチャのほうが手に入りやすかったからだそうです。
今でもスコットランドではカブでランタンを作るそうです。
日本でのハロウィン
日本でハロウィン関連のイベントが増えてきたのは1990年代後半で、東京ディズニーランドなどがイベントを開催しました。その後2000年代に入ると菓子メーカーがハロウィン商戦に参入してきて、だんだん認知度が上がっていったようです。
2010年代に入ってくると、それまで幼稚園や保育園のイベントなどで、子供達がやっていた仮装をする大人も街中で見うけられるようになり、現在では渋谷の駅前で大規模に人が集まるのを毎年テレビなどで話題になります。
最近ではゴミの散乱や、迷惑行為なども目立つようになり、一種の社会問題化している面もあります。
せっかく楽しい行事が広まってきたのに、社会問題化するのは良くないし、楽しくなくなってしまうのでマナーを守って楽しみたいですね。
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