24節気と秋分
24節気とは?
秋分とは中国の戦国時代【おおよそ紀元前5世紀~紀元前3世紀ころまで】に考え出された24節気【にじゅうしせっき】の1つです。
おおまかに説明すると1年を12の節気と12の中気【ちゅうき】に区切って、それぞれに季節の名前を付けたものです。
有名なものでは立春・立夏・立秋・立冬の四立【しりゅう】や夏至・冬至・春分・秋分の二至二分【にしにぶん】などがあり、一度は耳にしたことのある節気も多いかと思います。
24節気の微妙なズレ
24節気は中国の中原【ちゅうげん】で考えられたので日本の気候とは若干のズレが生じたりしています。
例えば、日本の夏至はまだ梅雨の真只中で、蝉はまだ鳴き始めていません。小暑では蒸し暑さは増すものの七夕を眺めるような晴れの空は期待できず、暑中ではあるのに地域によって梅雨寒となることもあります。大暑は「最も暑い時候」と説明されますが、日本の盛夏のピークは立秋の前後となります。
中原とは?
中華文化の発祥地である黄河中下流域にある平原のことです。中国の春秋戦国時代に周の王都があった現在の河南省一帯を指していましたが、後に漢民族の勢力拡大によって広く黄河中下流域を指すようになり、河南省を中心として山東省の西部から、河北省・山西省の南部、陝西省の東部にわたる華北平原を指すようにもりました。
二至二分と日照
前述の二至二分ですが、この4つの節気は日照時間と密接な関係にあります。
ご存知の通り、地球は太陽の周りを1年に1周する公転をしていますが、地球の地軸が公転軸に対して23.4度傾てるために、北半球と南半球ではそれぞれに日照時間が変わります。これが冬と夏がある1つの原因となります。
緯度が高ければ高いほどこの影響をうけるようになり、特に有名なものでは白夜【びゃくや】・極夜【きょくや】があります。
夏至
北半球ではこの日が一年のうちで最も昼(日の出から日没まで)の時間が長い日。逆に南半球では、夏至の日に最も昼の時間が短くなります。旧暦5月内に発生します。
なお、北半球ではこの日を境に昼は徐々に短くなっていきます。
冬至
北半球ではこの日が一年のうちで最も昼(日の出から日没まで)の時間が短い日となります。逆に南半球では最も昼が長い日です。十一月中(旧暦11月内)に発生します。
なお、北半球ではこの日を境に昼は徐々に長くなっていきます。
春分
よく昼の長さと夜の長さがほぼ等しくなるとされていますが、実際には昼の方が14分ほど長いです(日本の場合)。旧暦2月内に発生します。
秋分
昼と夜の長さがほぼ等しいが厳密には昼が若干長いそうです。旧暦8月内に発生します。
春分・秋分と彼岸の関係
仏教の浄土思想でいう「極楽浄土」(阿弥陀如来が治める浄土の一種、西方浄土)は西方にあり、春分と秋分は、太陽が真東から昇り、真西に沈むので、西方に沈む太陽を礼拝し、遙か彼方の極楽浄土に思いをはせたのが彼岸の始まりである。
さらに彼岸には悟りの境地に達するための仏道修行に励むという意味合いもあるそうで、煩悩や迷いに苦しむ此岸(この世)から、悟りの境地である彼岸(あの世)へ到達するための修行だそうです。
現在ではこのように仏教行事として説明される場合が多い。それがやがて、祖先供養の行事へと趣旨が変わって定着したとされています。
しかし、彼岸の行事は日本独自のものでインドや中国の仏教にはないことから、民俗学では、元は日本古来の土俗的な祖霊信仰が起源だろうと推定されているようです。
「秋の夜長」は秋分頃?
「秋の夜長」という言葉がありますが、「夜長」の意味は、読んで字のごとく「夜が長いこと」「特に8月〜10月」を指します。「秋の夜長」とは秋が深まっていくにつれて、夜が長くなることです。
一年を通じて夜が一番長い日は冬至になります。つまり「秋の夜長」は、太陽が昇って落ちるまでの期間が短い期間を指すので、旧暦においては立秋から冬至の間を指します。
しかし立秋は毎年8月8日頃でまだまだ暑さが厳しいです。「秋の夜長」と表現するのにふさわしい時期は、秋の深まりを感じる秋分の9月23日頃から冬至の間をいうのが一般的です。
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